北朝鮮成立以前について

朝鮮半島は、歴史的に何度も様々な国が分裂、統一を繰り返してきた。また、北朝鮮の占有する半島北部の一部は漢、元など半島外の勢力による支配を受けたり、高句麗や渤海国のように中国東北部から進出してきて朝鮮北部を支配した勢力をもった国家が存在したこともあって、その歴史は複雑である。ただし、高麗王朝以降は統一国家が持続し、朝鮮国(朝鮮王朝)期には、朝鮮の地域範囲が確定した。また、住民の均質化も進行していき、現在では朝鮮民族としてほぼ均質化された人々が、朝鮮全土に広がって居住している。

朝鮮国(大韓帝国)は、1910年に日本帝国政府と大韓帝国政府による日韓併合条約により姿を消し(日韓併合)、日本(大日本帝国)の一部となった。太平洋戦争(大東亜戦争)(第二次世界大戦)において日本が敗北し、1945年9月2日の降伏文書調印により正式に日本の朝鮮半島統治は終了する。しかし終戦直後から、北緯38度線以南をアメリカ合衆国(米国)に、38度線以北をソビエト連邦(ソ連)に占領され、それぞれの軍政支配を受けた。その後、米ソ両国は朝鮮の信託統治実現を巡って決裂し、それぞれの支配地域で政府を樹立する準備を開始した。その結果、1948年8月15日にアメリカ軍政地域単独で大韓民国が樹立された。これに対して同年9月9日に朝鮮民主主義人民共和国が成立した。両国の成立によって朝鮮半島の分裂は固定化された。

音楽

旧ソ連の赤軍合唱団(アレクサンドロフ・アンサンンブル他)に範を取った、人民軍の正規現役軍人らによる合唱団の功勲国家合唱団、国外にも少なからずファンを持つポチョンボ電子楽団、日本や西側諸国にも演奏旅行経験が有り、2008年にはニューヨークフィルとも共演した国立交響楽団が代表的。

演奏歌唱曲では、北朝鮮国内では準国歌扱いとして特に有名な「金日成将軍の歌」や「金正日将軍の歌」他といった、強烈なプロパガンダ歌曲や、労働歌、革命歌、軍歌、朝鮮民謡などが有名。また、青い山脈や津軽海峡冬景色(日本語及び朝鮮語にて歌唱)といった日本の歌や、欧米の音楽のカバー(無許可カバーや、演奏歌唱する曲のメロディ自体が盗作な歌曲も有り)を行っていたりもする。ポチョンボ電子楽団や功勲国家合唱団等は演奏CDも出しており、北朝鮮国内の他、日本国内や海外でも代理店を通して購入可能。

上記の楽団以外にも、国立の舞台劇団(民族演舞や抗日闘争を題材としたオペラ・革命歌劇「血の海」等が有名)も多数存在する。

平壌には、作曲家尹伊桑の音楽を研究する為に設立された、尹伊桑音楽研究所がある。

朝鮮民主主義人民共和国はベルヌ条約に加盟しているものの、日本政府は国家としてみなしていないため、事実上朝鮮民主主義人民共和国の著作物(主にテレビ画像)は日本国内で「使い放題」の状態になっているのが現実であった。また、著作権料の取り立てが何度か行われた事もあるが、ほとんどのメディアは払っていないなどの話もあったが、現在では、朝鮮民主主義人民共和国側の主張により、日本各メディアの対応は変化し、衛星テレビ画像などは報道引用のみとしている。

なお、著作権についての詳細はポチョンボ電子楽団の項を参照のこと。

中学校・高等学校では、朝鮮の民族楽器のほかにシンセサイザーやエレキギターを利用した軽音楽を課外活動として取り入れている。

宗教について

現在、北朝鮮国内における宗教に関することは国外に明らかになっていない。当局は、外国人が訪朝した際に、平安南道・妙香山の普賢寺を見せて「朝鮮では信教の自由がある」と説明している。また、憲法にも信教の自由が保障されている事が明記されている。このことから無神国家または無宗教国家ではない、とされている。

だが、憲法の中の信教に関する項目が何度も改正されている事実を考えれば、宗教政策が何らかの理由でしばしば変更を強いられていることが伺える。また、諸外国でも、「普賢寺そのものが、あくまで外国人にそう説明するための手段に過ぎず、実際のところ、朝鮮民主主義人民共和国公民にはほぼみな、信教の自由がない」とする見方が主流である。多くの共産主義国と同じように宗教の存在が党の指導思想(北朝鮮の場合は主体思想)と対立するためである。

平壌はかつて日本統治時代にキリスト教徒が多く、「東洋のエルサレム」と呼ばれた。金日成の母方の祖父である康敦煜もプロテスタント長老派の牧師である。解放後から金日成政権が安泰になるまでもキリスト教徒が多く、キリスト教系新興宗教も存在していた。統一教会の文鮮明もそうした新興宗教グループの出身である。現在は、北朝鮮には地下教会の信者が多くおり、他の宗教同様キリスト教に関しても、信教の自由は確立されてはいない。北朝鮮ではキリスト教を弾圧していると言う情報が流れているのも、このためとされている。

北朝鮮の場合は中華人民共和国などの他の「共産国」に比べて、宗教が弾圧された経緯が漏れ伝わってこない。また、その形跡も確認しづらい。金日成自らはかつて美濃部亮吉と対談した際、教会はすべて朝鮮戦争において「アメリカの爆撃で焼けてしまいました」と語り、キリスト教徒も南部へ逃げてしまったと語っている。弾圧の必要がなかったと語っているこの発言は、決してキリスト教を弾圧する意志がなかったことを意味しておらず、また弾圧の可能性があったことを前提とした文脈であるために、ある程度の信憑性をもって受け止められている。またここ近年、脱北者の話からキリスト教徒が弾圧され、またその多くが強制収容所に収監されているという目撃証言が多数ある。その一方仏教徒が約3万人いるという話もある。これらのことから実質北朝鮮では宗教の自由はないに等しいと考えられている。

文化

基本的には、同じ民族が暮らしている韓国と似ている。衣装はチョゴリ、食べ物はキムチや平壌冷麺が有名である。亜寒帯に属し気候が寒冷なので、冬になると建物の床下に薪や練炭、石炭の煙を通し暖を取る昔ながらのオンドルを使用しているところが多い。オンドルの使用で毎年多くの一酸化炭素中毒死者を出している。

非同盟および発展途上国の平壌映画祭や平壌世界芸術祭が開かれている。プリンセス・テンコーも招待されてマジックを披露した。 北朝鮮は同じ共産主義の中国の文化が強く影響されている。

問題

北朝鮮政府は人口センサスを実施したのは1993年末に1回のみであり、正確な人口は北朝鮮政府自体が把握していない(2008年10月に、国連人口基金の協力のもと、第2回センサスが実施される予定)。米国CIAのWorld Factbookによれば2007年7月の推定人口は23,301,725人である。平均寿命は71.92歳(男性69.18歳、女性74.80歳)、出生率は人口1000人当たり15.06人、合計特殊出生率は2.05人、幼児死亡率は1000人当たり22.56人となっている。(北朝鮮の人口統計に関する問題の詳細はを参照。) WHOの推計では、平均寿命は男性65歳、女性68歳(2005年)となっている。国連の推計では現在の平均寿命が80年代後半より4歳下回っているとされている。

1980年代以降、ソビエト連邦など共産圏からの援助が激減しエネルギー不足となったのをきっかけに、国内の食糧事情が極度に悪化し、数十万人以上の国民が餓死したと言われる。北朝鮮政府は、食糧危機の原因を水害や旱害などの天災としているが、それは主たる原因ではない。真の原因は、エネルギー不足により肥料生産が減り、肥料や食料の運搬が困難になったことと、各地域の天候や現状は無視して、首都から各地方へ画一的な主体農法を押しつけた、北朝鮮政府の非現実的な食糧生産政策が原因とされる。また、生産された食糧のかなりの部分を、各地の労働党幹部が確保し、一般国民へ食糧が届かないことも、餓死の大きな原因とされる。

また刑務所や政治犯収容所などの強制収容施設で多数の人々が殺害されたと言われるが、北朝鮮政府は政治犯収容所の存在を否定している。しかし政治犯収容所の収容者や警備兵などの多数の証言によれば、収容所内で裁判なしに多くの人が日常的に殺害されており公開処刑も行われていると考えられている。

餓死と強制収容施設での問題の他、食糧問題と人権問題を原因とする、多数の国民の北朝鮮からの脱出、いわゆる脱北も、人口減の原因である。北朝鮮と接する中国東北部には、北朝鮮から逃れた人々が数千人以上滞在しているために中華人民共和国は国境地帯の警備を強化している。